菱組みされた木の面(角)を取っている。その取り方を工夫することで、単調を避け、奥行きを与えている。
このように段を付けて面取りすると、 1本の桟にいくつもの異なる角度が生じる。それをわずかの狂い、隙間もなく組んでいくところが技。
さらに、桟の太さ、面の深さ、角度、段の巾のわずかな大小が、美しさを左右する。技とデザイン力とは、技能の両輪である。
桟に面取り・塵返しが施されている。単純に見えるが、桟の厚さと間隔、複雑になる角度の組み方、
面取りの角度と深さ、で品格と風情が違ってくる。いわば“玄人好み”の障子。
現代住宅に取り入れる場合、シンプルだが深い技術が隠されているこのような障子がふさわしい。